Pain Postは、膠原病や関節リウマチ患者さんのための症状管理ツールです。部位ごとの痛みや症状を日記(ダイヤリー)として記録し、グラフで視覚化できます。
初めまして、開発者の中村隼人です。まずはこのサイトを訪れていただきありがとうございます!
私はホームページ制作やグラフィックデザインのお仕事に20年以上携わっているWEBデザイナーです。
Pain Post(ペインポスト)は、2023年に妻が膠原病(関節リウマチ)を発症したことから開発を決意し、2024年の10月にWEBサービスとして公開させていただきました。少し長文になりますが、なぜこのサービスを始めることになったのかも含めて私なりに紹介させていただきますので、是非ご一読いただければ幸いです。
妻の関節リウマチは、右足の中指に軽い突き指をしたことから始まりました。腫れと痛みがなかなか治まらず、2人で不思議に思っていましたが、1ヶ月ほどで右膝の痛みを感じるようになり、病院で検査をしたところ膠原病の関節リウマチだと診断されました。
当時は、少しずつ体中に広がっていく痛みに不安を覚えながらも、メトトレキサートを飲むことで寛解できると信じて日常生活を送っていましたが、2024年の始めに妻の症状が悪化し、徐々に日常生活を送ることが困難になっていきました。
追加のお薬で生物学的製剤のアクテムラを投与しましたがほとんど効果がなく、リウマチの炎症の数値も病院の先生が驚くほどに上昇してしまいました。その後アダリムマブに切り替えましたが、これも効果が見られず、とうとう寝たきりになってしまいました。
私といえば妻を介助することしかできず、妻のつらそうな姿に胸を痛めながらも、慣れない専業主婦の仕事を一同に担うことになり、併せて妻の入浴や息子のお弁当作りなど、これまでに体験したことのない生活だったことを今でもよく覚えています。そして専業主婦の仕事がこれほど大変だったのかと心底思い知り、元気だった頃の妻への感謝が深まるとともに、病気に対するやるせない気持ちは日に日に大きくなっていきました。
アダリムマブを投与して2ヶ月ほどが経ちましたが、効果が表れることはありませんでした。むしろ悪化していく一方で、膝も足首も手の指も2倍近くに腫れあがり、痛みも想像を絶するものだったと思います。妻はもちろん、私も途方に暮れていました。少しずつ妻の元気がなくなっていく姿を見ていると、自分の中からも活力がなくなっていくのを感じました。でもそれ以上に、妻は絶望していたのだろうと思います。
それからはインターネットで見慣れないリウマチ関連の情報を検索し続け、ある薬の存在を知りました。
それは、jak阻害薬です。
妻は病院から薬の一覧をもらっていましたが、高額なうえ、先生からの強い提案もなかったために選択肢に入っていなかったらしく、私としても初めて聞く薬の名前に戸惑いがありましたが、ここまでひどくなると他に選択肢はないだろうと、定期健診の日に2人で病院に行き、先生にjak阻害薬の服用について相談しました。
あれから7ヶ月、今この文章を書いている後ろで、妻は元気に家事をしています。体の痛みは残っているようですが、腫れも引き、料理や洗濯もできるようになり、趣味の洋服作りにも励んでいます。
jak阻害薬の服用を始めて1~2週間は、これといった効果はあまり見受けられなかったのですが、徐々に腫れが引き、痛みも薄くなっていったようで、1ヶ月ほどすると目に見えて良くなっていくのが分かりました。本当に嬉しかったです。もちろん妻が一番それを感じているわけで、2~3ヶ月経つと口喧嘩のひとつもできるようになりました。笑
ある日、妻が「服薬や体調を記録するノートがいっぱいになりそう」とつぶやいたので「薬局にもらいにいかなきゃね~」などと世間話をしていたところ、妻が「こういうのってネット上で作ったりできないのかな?簡単に記録して一覧で見返す事ができるとか、みんな困ってないのかな」と、何の前触れもなくミッションはスタートしたのです。
一通り調べると、そのようなアプリやサービスはいくつかあるようですが、なんとなく私たちの使いたい、確認したい機能が揃っていないことが分かり、私は開発を決意しました。
今、日本国内において、関節リウマチの患者さんだけでも約60万~100万人いると推定されているそうです。妻が発症し、これからも向き合っていかなくてはならないこの病気に、時を同じくして多くの方が向き合っているということに、このサービスが少しでお役に立てればと思います。
日々妻から必要な機能や改善点などを聞きながら開発・改善を進めています。将来的にはアプリ化し、同じ患者さん同士をつないで、励ましあい、支えあえるようなコミュニティも検討していますので、現在WEBサイト上での利用で必要最低限の機能とは思いますが、是非活用していただければ幸いです。
そして1日も早く、最適なお薬が見つかり、そのご病気が寛解に至り、健やかな日常生活が続くことを、夫婦一同、心よりお祈り申し上げます。
※jak阻害薬は妻にはよく合いましたが、すべての患者さんに適しているとは限りません。使用をお考えの際は、必ずかかりつけの医師にご相談ください。